地球生活

この物語はフィクションです。

2021.06.22 宇宙人「人類ちょっと調子に乗りすぎ」

 

 

わたしはどちらかというと人間以外の動物のほうが好きだ。

「理解し合えない」前提で適度な距離感を保てるし、言葉に頼らないコミュニケーションができるから。

最初から「理解し合えて当然」だというとんでもない前提で始まるマイノリティだけが楽しいコミュニケーションが横行している人間同士なんて。

 

最近母の知り合いの銀座に住んでるマダムとお話しする機会があって、しばらく雑談をしてたら、ふと思い出したように

「カラスってこの世に必要だと思います?うるさいし、ゴミを荒らすし、絶対要らないですよねぇ」と。

 

思わず小声で「怖っ!」って言っちゃった。

すごく上品な方だから、あ、やばい、と思ってちゃんと「カラスだって必要だから生きてるんだと思いますよ」ってその場はやり過ごしたんだけど、

自分にとって都合の悪い生き物はこの世に必要ないって、悪気も思慮もなく口に出せてしまうのが怖かった。

わたしの倍以上も長く生きていて、豊か(物質的)な生活を送っているはずの人が。

しばらく豊かさってなんだろう、どこで手に入れるんだろう、って考えてしまった。

 

 

この世はすべて表裏一体で、誰かを「死ぬほど憎い」と思っていても、実はその人には「憎む相手が必要」だったりする。

「いらない」と思うことは、「すでに持っている」ことと表裏一体なので、強く「いらない」と感じれば感じるほど、「持っている」ことが強調される。

だから本当に手放したいなら、「いらない」と思うことをしないようにすればそのうち「持っている」ことが薄れていく。

なんていうか、必然というか、誰かを憎むこともエネルギーになったりするじゃない。それが良いか悪いかは本人の感じ方次第で、良くも悪くもその人には誰かを憎んでエネルギーを持つことが必要で、無気力では生きていけないから憎しみのエネルギーでなんとか生きている、ってこともあると思うんだよね。

言ってること、多分誰にも伝わってない気がする。

 

どうでもいい話を宇宙規模まで拡げて考えるのが好きなので宇宙レベルで人間を見てみると、どう考えても資源を食い尽くして生態系を狂わせて地球という星を破壊し続けてるのって人間じゃない?

そろそろすごい知能と技術を持った宇宙人に粛清されてもおかしくないと思う。

 

人生100年時代」とか言ってますけど、当たり前に自分が健康で100年生きられると思ってる?

わたしもう25なんですけど、この1年って体感7ヶ月なんですよね、多分この体感スピードってこれからどんどん上がっていく。

その上病気になるかも、事故に遭うかも、宇宙人に粛清されるかもしれない。

そう思うとやりたくないことやる暇なんて1秒もないはずなのに。

 

なのに、わたしは今日も「行きたくねぇな〜仕事」って思いながら働く。

わたしはいつ死ぬかもわからない大事な人生を無駄遣いしたいな〜と思ってやってるので、全然嫌じゃないけど。

 

 

 

おわり